発掘力と編集力のリンク
概要
以前、ライミングのスキルを発掘力と編集力の二つに分類した。
今回はこれらの関連性について述べる。
発掘における質と量
本題に入る前に、発掘力の役割を整理する。
韻の効果を高めるには、二通りのアプローチがある。
一つめは質。
徹底して響きや意味を一致させ、単発の韻の質を高める。
候補内から良質なものを選び抜くセンスが問われる。
もう一つは量。
連打回数を増やし、量で圧倒する。
多くの候補を挙げる引き出しの多さが問われる。
これらはどちらも発掘力と関連している。
また、突き詰めると質と量は同じところに行き着く。
質の高いものを抽出するためには、母数が多いほど有利。
つまり量も必要である。
また量を増やすときも、低品質なもので無闇に数を稼ぐことは逆効果。
採用水準をどの程度に設定するかが大切だ。
つまり質も必要である。
発掘力が高ければフレーズを大量に仕入れ、そこから良質なものを抽出することができる。
編集難易度を意識した発掘
質と量のどちらを重視するにせよ、発掘工程では編集力も絡んでくる。
より正確にいうと、自分の編集力の客観的な把握が求められる。
いかに質が優れても、量が充実しても、繋げられない韻は無価値である。
韻の利用価値はライムフレーズ単体ではなく、前後の文脈を考慮しながら考えることになる。
したがって編集工程での手戻りを減らすため、“明らかに編集でリカバリしきれない韻”は発掘段階で捨てる判断力が必要。
この判断が甘い場合、使える韻がリストアップできずに作詞が行き詰まったり、使えないものを無理やり採用して意味不明な文章になってしまう。
再発掘を意識した編集
いっぽう編集工程においても、“より良い韻で置き換えられそうな箇所”がないか、常に検討したほうがよい。
それには無根拠な発掘を繰り返すだけでは不十分。
全体の流れを見ながら適切な韻に差替え、バランスを調整する作業になる。
差替え箇所の音数や一致ファクタを見て、自分が再発掘できるのか、ある程度当たりを付けるセンスが必要。
これは自分の発掘力を客観的に把握して、リルート可否を感じ取る能力である。
まとめ
“韻を挙げる工程”や“繋ぎを考える工程”という明確な線引きは難しい。
発掘とは“繋ぎを考えながら韻を挙げる工程”であり、編集とは“韻を補いながら繋ぎを考える工程”である。
したがって発掘力と編集力もまた、個別に発揮する能力ではなく、併用しながらライミングを前進させていく両輪といえるだろう。
(文/SIX)
from 韻韻
ライマーには発掘力と編集力が必須みたいに書かれているけれど、もしも“発掘力だけ優れた人”と“編集力だけ優れた人”がいたら分業でライミングができそうだね
変更履歴
2017.7.21
- 新規作成
2018.12.26
- 公開用に清書
- ライムブログにて公開
2023.11.29
- 押韻島地下城への再録にあたり改稿