母音数のカウント例

概要

前回の記事母音ライムの長さを測るの続き。

リズム合わせを行う場合は、“撥音んの位置”“促音っの位置”“長音ーの位置”を合わせる。

一方、リズム合わせをしない韻(リズム不一致の母音ライム・子音ライム等)では、それらの登場位置を無視してよい。
別の言い方をすると、フレーズから*“撥音”“促音”“長音”をすべて取り去った状態*で、母音や子音の並びが一致すればよい。

なお、本稿で示すのは個人的な母音カウント方法である。
特に発音省略に関する部分など、大きく好みの分かれる部分があると思われる。

カウント例

素材フレーズリズム無視母音パターン母音数備考
ラップアンドビーツラ(ッ)(プ)ア(ン)ドビ(ー)(ツ)AAOI4※2
チャックザジッパーチャ(ッ)(ク)ザジ(ッ)パ(ー)AAIA4※2
オオサンショウウオオ(オ)サ(ン)ショ(ウ)(ウ)オOAOO4※1
メイドインジャパンメ(イ)ドイ(ン)ジャパ(ン)EOIAA5※1
二酸化炭素にさ(ん)かた(ん)そIAAAO5
デミグラスソースデミグラスソ(ー)(ス)EIUAUO6※2
はじめの一歩はじめのい(っ)ぽAIEOIO6
コンクリートジャングルコ(ン)クリ(ー)トジャ(ン)グルOUIOAO6
ドーナツ化現象ド(ー)ナツかげ(ん)しょ(う)OAUAEO6※1
スタジオジブリスタジオジブリUAIOIUI7
8mileは遠すぎるエ(イ)トマイ(ル)はと(お)すぎ(る)EOAIAOUI8※1 ※2
大正デモクラシーたいしょ(う)デモクラシ(ー)AIOEOUAI8※1

補足1 リズム合わせの要素を取り除く

“撥音”“促音”“長音”が含まれる場合、それらを取り去った状態で、母音が登場する個数に着目して“1母音”という数え方をする。
上記で取り去った三種類の音は母音を持っていないと解釈する。

表ではスタジオジブリ以外のすべてのフレーズが該当する。

補足2 長音は音便化した発音レイヤーで判定

音便化によりメイドからメード、たいしょうからたいしょーのように表記と異なる発音に変わる場合、発音レイヤーで長音かどうかを判定している。
またコンクリートジャングルのグルを、ゴーと変化させた結果、OUIOAUUではなくOUIOAOとしている。
このように音便化やリンキング、外来語の導入などによって変化が発生するところは、発音段階での母音に準じてカウントしている。

上記表では*※1*のフレーズが該当。

補足3 発音省略によるカウント除外

ちなみに、ここでは“撥音”“促音”“長音”の差異を無視するだけでなく、無声音、発音が弱い部分もカウントから除外している。

たとえばラップアンドビーツのプが該当。
母音合わせの観点では、表記母音Uの省略といえる。
子音と母音に分解した場合、Pは後続するAとリンキングし、パに発音変化しているとみなす。
(すなわちラッパンドビーツと発音するイメージ)

ビーツのツ、チャックのク、ソースのス、マイルのル、遠すぎるのるなども同様。
英語でいうと、単語が“子音+母音”でなく“子音”で終わっている場合、このように扱われやすい傾向がある。

またオオサンショウウオの後ろ側のウについては、オに変化して吸収されるわけではないが、アタックの弱い音であるためカウントしなかった。

上記表では*※2*のフレーズが該当。

補足4 リズム部分一致はリズム不一致に含める

リズムを考慮せずに母音の並びだけを数えると上記のようになる。
しかし、実際に韻を踏む時は大正をAIOーまで合わせているフレーズも多い。

ここで述べているリズム不一致の定義は“撥音、促音、長音が一度でも同じ位置に登場してはいけない”というものではなく、“少なくとも一箇所の不一致が含まれる”といったほうが正確である。(リズム完全一致を除くすべての韻がリズム不一致)

さらにいえば、3回以上の連打について述べる場合は、どの2つを取り出してもリズム一致している場合にのみ、リズム一致の連打ライムと呼ぶべきだろう。

(文/SIX)

from 韻韻

母音数カウントだかボーイスカウトだか知らねえが…(リズム不一致)

変更履歴

2018.1.22

2018.11.14

2019.7.19

2023.11.29