音便化に伴う母音不一致

概要

前回の記事母音数のカウント例の補足。
子音保有音と母音単音による母音合わせについて述べる。

前提

説明の便宜上、以下の用語を定義する。

名称定義例
子音保有音子音と母音で構成される音か(KA)さ(SA)など
母音単音母音だけで構成される音あ(A)い(I)など

なお子音(consonant)をC、母音(vowel)をVと略記することがある。
その流れで、子音保有音は“CV”、母音単音は“V”と表現することもできるだろう。

例:「才色兼備」と「内蔵電池」の母音合わせ

フレーズふりがな表記母音発音母音母音数
才色兼備さいしょくけんびAIOUE(ん)IAIOUE(ん)I6
内蔵電池ないぞうでんちAIOUE(ん)IAIO(ー)E(ん)I5

上記例の4音目において、子音保有音くと母音単音うを母音一致と判定するのは、表記に依存した判定といえる。
発音時には、母音単音うが長音に変化するため母音不一致となる。

内蔵電池は、子音保有音ぞと母音単音うの部分が音便化によりぞーと変化するため、母音パターンはAIO(ー)E(ん)Iとなる。
一方才色兼備の同位置を見ると、子音保有音しょと子音保有音くの部分に音便化は起こらず、AIOUE(ん)Iのままである。

このような音便化はぞうのような、“CV+V”や“V+V”の並びで生じ、“CV+CV”では生じにくい。
(ぞうがぞーに変わるが、しょくはしょーなどに変わらない)

AIO(ー)E(ん)IとAIOUE(ん)Iの母音ライムは(発音で判定すれば)母音不一致といえる。

表記上の母音不一致を発音の工夫で解消する

この例を音源のライミングとして成立させるには以下のような方法がある。

才色兼備を発音する段階で、吸収や音量調節などによりくの発音を省略し、さいしょっけんびのような状態にする。
その結果、ないぞ(ー)でんち(長音の無視)、さいしょ(っ)けんび(促音の無視)のペアとなる。
これはリズム不一致型の母音ライムAIOE(ん)Iとして成立させられる。

フレーズ発音変化後発音母音母音数
才色兼備さいしょっけんびAIO(っ)E(ん)I5
内蔵電池ないぞーでんちAIO(ー)E(ん)I5

なお、この例AIOE(ん)Iにおけるんは同じ位置に登場しているので、一致パターンに含めている。
もし3フレーズ目以降にん無視のフレーズを追加する場合、全体をAIOEIとして扱う。

(文/SIX)

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変更履歴

2018.1.22

2018.11.20

2018.11.21

2019.7.19

2023.11.29