表記と発音予測

概要

活字媒体における韻の認識について論じる。
特に、母音合わせを中心に扱う。

発音の一意性

ネットライムなど活字だけの媒体は、“発音解釈に幅のある韻”を扱うのが苦手である。
たとえば英語で韻を踏むと、フレーズを日本語風に読むべきなのか英語風に読むべきなのか分からない。

例

これは日本語表記に準拠したこんくりーとじゃんぐる(母音パターンO(ん)UI(ー)OA(ん)UU)のようにも解釈できる。
英語らしく発音したこんくぃじゃんごー(母音パターンO(ん)IA(ん)O(ー))のようにも解釈できる。

読者は、作者の意図した発音が何だったかを知ることはできない。

判断の指標

では何で判断するのかといえば、“そのフレーズと踏んだ相手がどんなフレーズなのか”に頼って推測するのが現実的なところである。

母音や子音のパターンを比較して一致率を評価するのではなく、一致率の高さから母音や子音を逆算する。
表記時点で読み方が一意に決まる通常の韻に比べ、読者が積極的に韻の成立に協力するような読み方が求められる。

例1

?????????? concrete jungle ?????????? すごくいい予感する

上記のような使われ方のconcrete jungleはすごくいい予感するをヒントとして、こんくりーとじゃんぐる(母音パターンO(ん)UI(ー)OA(ん)UU)と推測される。
いわゆる片仮名英語的な読み方である。

例2

?????????? concrete jungle ?????????? 通し番号

いっぽうこちらのconcrete jungleは通し番号をヒントとして、こんくぃじゃんごー(母音パターンO(ん)IA(ん)O(ー))と推測される。
これは英語の発音に近い読み方といえる。

知名度の考慮

日本人が日本人に向けて書く場合、通常は日本人に伝わりやすい発音を選ぶことが無難である。
そのほうが作者の意図通りの発音で認識されやすい。
また、日本語の一部として定着したフレーズかどうかも関係する。

参考

表記の工夫

読者にどんな発音で読んでほしいのか伝えるための工夫として、英語であればアルファベット表記とカタカナ表記で使い分けるテクニックもある。

先ほどの例でいえば、

?????????? コンクリートジャングル ?????????? すごくいい予感する

とカタカナ表記すれば日本語的に読んでほしいというメッセージになる。

?????????? concrete jungle ?????????? 通し番号

とアルファベット表記すれば英語的に読んでほしいというメッセージになる。

(文/SIX)

from 韻韻

ネットライムってオタクっぽいから抵抗あるなあ

変更履歴

2017.2.9

2017.8.8

2018.1.23

2019.1.29

2019.1.30

2019.7.19

2023.11.29